東京メトロ、風力・営農型太陽光を組み合わせたフィジカルPPA導入とアワリーマッチング対応を発表

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コスモエネルギーグループと東京地下鉄は、2026年3月31日、総合研修訓練センター向けに陸上風力と営農型太陽光を組み合わせたオフサイトフィジカルPPAを導入すると発表しました。電力供給は2026年4月に開始され、年間約719トンのCO₂削減効果が見込まれています。

本契約では、会津若松ウィンドファームの風力電源と、アグリゲーターを通じて調達する営農型太陽光電源を組み合わせ、小売電気事業者を介して電力を供給します。再エネで賄えない時間帯は、市場電力に非化石価値を付加することで補完し、時間単位での需給一致度の向上を図る設計となっています。

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アワリーマッチング対応の商用スキーム

複数電源の組み合わせにより、時間別の再エネ供給と需要の一致度、いわゆるアワリーマッチング比率の向上を目指す点が特徴です。日本において商用レベルでこのような仕組みが導入される例はまだ限定的であり、今後の電力調達モデルの一つとして注目されます。

同社は、本スキームを通じてアワリーマッチング比率を継続的に計測し、段階的な改善を図る考えとしています。

制度議論と市場動向

アワリーマッチングは、GHGプロトコルのScope2ガイダンス改定において議論が進む概念であり、日本でも経済産業省の委員会で導入の在り方が検討されています。欧州や英国が先行する一方、日本でも電力会社や需要家の関与が広がり、制度化に向けた機運が高まりつつあります。

また、風力と太陽光といった異なる電源を組み合わせることで時間帯ごとの発電特性を補完し、アワリーマッチング率を高める手法は王道といえます。こうした構成は、地域内で電源ポートフォリオを自律的に形成し、需給バランスを整えていく方向性を示唆するものです。本件は、その実装の一端を示す取り組みといえます。

需要側・供給側のKPIによる地産地消の可視化

アワリーマッチングには、需要側と供給側の二つの指標があります。需要側は消費電力量に対してどの程度時間一致した再エネを使えたかを示し、供給側は発電量に対してどれだけ需要に使われたか、いわゆる地消率を示します。前者は地産率、後者は地消率に対応します。これらを組み合わせることで、地域内の需給一致を段階的に高めることが可能となります。需要側指標に注目が集まりがちですが、供給側のKPIも同様に重要といえます。